
MDI(Media Dependent Interface)とは
MDI(Media Dependent Interface)とは、ネットワークデバイスと物理メディア間のインターフェースを指します。具体的には、イーサネットケーブルを接続するポートや、光ファイバーケーブルを接続するポートなどがMDIに該当し、ネットワークデバイスが物理的な伝送媒体と通信するための物理的な接点となる部分です。
MDIは、ネットワークの物理層における重要な要素であり、様々な規格が存在します。例えば、10BASE-T、100BASE-TX、1000BASE-Tなどのイーサネット規格では、それぞれ異なるMDIが使用され、ケーブルの種類やコネクタの形状、信号の伝送方式などが規定されています。MDIの種類を理解することは、ネットワークの構築やトラブルシューティングにおいて不可欠です。
MDIの役割は、ネットワークデバイスが物理メディアを通じてデータを送受信できるようにすることです。MDIは、電気信号や光信号を適切な形式に変換し、ケーブルを通じて伝送したり、ケーブルから受信した信号をネットワークデバイスが処理できる形式に変換したりします。MDIが正常に機能することで、ネットワークデバイス間の通信が円滑に行われ、ネットワーク全体のパフォーマンスが向上します。
MDIの基礎知識
「MDIの基礎知識」に関して、以下を解説していきます。
- MDIの種類(コネクタ形状)
- MDIとMDI-X(自動認識機能)
MDIの種類(コネクタ形状)
MDIには様々な種類があり、それぞれ異なるコネクタ形状や伝送方式を採用しています。代表的なものとしては、RJ-45コネクタを使用するツイストペアケーブル用のMDIや、光ファイバーケーブル用のMDI(SCコネクタ、LCコネクタなど)があります。これらのコネクタ形状は、ケーブルの種類や伝送速度、伝送距離などに応じて使い分けられます。
コネクタ形状だけでなく、MDIの内部構造や信号の伝送方式も種類によって異なります。例えば、10BASE-Tでは2本のツイストペアケーブルを使用しますが、100BASE-TXでは4本のツイストペアケーブルを使用します。このように、MDIの種類によって使用するケーブルの本数や信号の伝送方式が異なるため、適切なMDIを選択することが重要です。
MDIの種類 | コネクタ形状 | 主な用途 |
---|---|---|
RJ-45 | 8ピンモジュラ | ツイストペアケーブル |
SC | 角型 | 光ファイバーケーブル |
LC | 小型角型 | 光ファイバーケーブル |
GBIC | プラグイン | 光ファイバー/銅線 |
MDIとMDI-X(自動認識機能)
MDIとMDI-Xは、ツイストペアケーブルを使用するイーサネットにおいて、送信と受信のペアを区別するためのインターフェースです。MDIは、送信ペアと受信ペアが正しいピンに接続されていることを前提としていますが、MDI-Xは、送信ペアと受信ペアが入れ替わっていても自動的に認識し、通信を確立することができます。近年では、Auto MDI/MDI-Xという自動認識機能が一般的になり、ケーブルの種類(ストレートケーブル、クロスケーブル)を気にせずに接続できるようになりました。
Auto MDI/MDI-X機能は、ネットワークの構築や管理を大幅に簡素化します。以前は、異なる種類のデバイス(PCとハブ、ハブとハブなど)を接続する際に、ストレートケーブルとクロスケーブルを使い分ける必要がありましたが、Auto MDI/MDI-X機能があれば、どちらのケーブルを使用しても自動的に適切な接続が確立されます。この機能は、特に小規模なネットワークや、ネットワークの知識があまりないユーザーにとって非常に便利です。
インターフェース | 送信/受信 | ケーブルの種類 |
---|---|---|
MDI | 固定 | ストレートケーブル |
MDI-X | 固定 | クロスケーブル |
Auto MDI/MDI-X | 自動認識 | ストレート/クロス |
用途 | PCとハブ | ハブとハブ |