
ユニバーサルリンクとは
ユニバーサルリンクとは、iOSアプリにおいて、ウェブサイトのURLをクリックした際に、ウェブブラウザではなく対応するアプリを直接起動させるための技術です。ユーザーはウェブサイトとアプリの間でシームレスな体験を得ることができ、アプリの利用促進やエンゲージメント向上に繋がります。従来のカスタムURLスキームと比較して、より安全で信頼性が高く、設定も容易である点が特徴です。
ユニバーサルリンクを実装することで、例えば、ウェブサイト上の商品リンクをクリックした際に、ECサイトのアプリが起動し、直接その商品の詳細ページを表示させることが可能です。また、ウェブサイトで会員登録を促すバナーをクリックした際に、アプリが起動して会員登録画面に遷移させるなど、様々な活用方法があります。これにより、ユーザーはよりスムーズに目的を達成でき、企業のコンバージョン率向上に貢献します。
ユニバーサルリンクは、iOS 9以降のバージョンで利用可能であり、Appleが推奨するアプリ連携の方法です。正しく設定することで、ウェブサイトとアプリの連携がよりスムーズになり、ユーザーエクスペリエンスを大幅に向上させることができます。ユニバーサルリンクの導入は、アプリの利用率向上だけでなく、ブランドロイヤリティの強化にも繋がるでしょう。
ユニバーサルリンクの仕組み
「ユニバーサルリンクの仕組み」に関して、以下を解説していきます。
- ユニバーサルリンクの動作
- ユニバーサルリンクの設定
ユニバーサルリンクの動作
ユニバーサルリンクは、ウェブサーバーに配置された「apple-app-site-association」ファイルと、アプリ側の設定によって動作します。ユーザーがウェブサイトのURLをクリックすると、iOSはまずこのファイルをチェックし、URLがアプリに関連付けられているかを確認します。関連付けが確認されると、ウェブブラウザではなく、対応するアプリが自動的に起動し、指定されたコンテンツを表示します。
もし「apple-app-site-association」ファイルが存在しない場合や、設定が正しくない場合は、通常のウェブサイトとしてブラウザで開かれます。このため、ユニバーサルリンクを正しく機能させるためには、ウェブサーバーとアプリの両方で適切な設定を行う必要があります。設定ミスがあると、意図した通りにアプリが起動せず、ユーザーエクスペリエンスを損なう可能性があるため注意が必要です。
要素 | 内容 | 詳細 |
---|---|---|
URLクリック | ユーザー操作 | ウェブサイト上のURLをクリック |
ファイル確認 | iOSの動作 | apple-app-site-associationファイルをチェック |
アプリ起動 | 成功時 | 対応するアプリが自動的に起動 |
ブラウザ表示 | 失敗時 | 通常のウェブサイトとしてブラウザで表示 |
ユニバーサルリンクの設定
ユニバーサルリンクの設定は、ウェブサーバー側での「apple-app-site-association」ファイルの配置と、アプリ側でのEntitlements設定の2つのステップで構成されます。まず、ウェブサーバーのルートディレクトリまたは「.well-known」ディレクトリに、JSON形式の「apple-app-site-association」ファイルを配置します。このファイルには、アプリに関連付けるURLのリストが含まれます。
次に、アプリ側のXcodeプロジェクトで、Associated Domains Entitlementを追加し、関連付けるドメインを指定します。この設定により、iOSは指定されたドメインからのURLをアプリに関連付けることができます。設定後、アプリを再ビルドしてApp Store Connectにアップロードすることで、ユニバーサルリンクが有効になります。設定が完了したら、実際にURLをクリックして動作確認を行うことが重要です。
設定項目 | 設定内容 | 備考 |
---|---|---|
ファイル配置 | apple-app-site-association | ウェブサーバーのルートディレクトリに配置 |
ファイル形式 | JSON形式 | アプリに関連付けるURLを記述 |
Entitlements設定 | Associated Domains | Xcodeプロジェクトでドメインを指定 |
動作確認 | URLクリック | 設定後に必ず動作確認を実施 |