NECとソニーセミコンダクタソリューションズ、高精度顔認証入退管理ソリューションを販売開始

記事の要約

• NECとソニーセミコンダクタソリューションズが共同開発した顔認証入退管理ソリューションを販売開始
• AIカメラによる高精度な顔認証を実現し、導入コストを約40%削減
• 光環境に左右されにくい高精度な顔認証システムを提供

NECとソニーセミコンダクタソリューションズ、顔認証入退管理ソリューションを販売開始

NECは、ソニーセミコンダクタソリューションズ(SSS)と共同開発した顔認証技術とAIカメラを融合した入退管理ソリューションを2025年5月より販売開始した。このソリューションは、SSSのイメージセンサーとNECの顔認証技術を組み合わせることで、従来は導入が困難だった様々な環境下でも高精度な顔認証を実現する。

両社は2024年11月より顔認証ソリューションに関する戦略的協業を開始しており、本ソリューションはその一環として開発された。NECのセレスティン芝三井ビルディングでは10月より先行利用が開始され、SSSのグループ会社内での利用も検討されているのだ。

本ソリューションは、光環境の変化に強いAIモデルを搭載した超小型AIカメラを採用している。そのため、工場や倉庫、店舗、テーマパークなど、従来は光環境の制約から顔認証システムの導入が難しかった場所でも、高い認証精度を維持できる。導入コストも他社製品と比べて約40%削減されている。

さらに、カメラ内部で顔の特徴量抽出を行うため、テクノロジーへの顔画像送信が不要となり、個人情報の漏洩リスクを低減し、セキュリティを強化している。運用管理の手間も軽減されるため、導入・運用コストの両面でメリットが大きいと言えるだろう。

ソリューション概要

AIカメラと顔認証技術について

本ソリューションの中核を担うのは、ソニーセミコンダクタソリューションズが提供するAIチップ搭載カメラと、NECが開発した世界トップレベルの顔認証技術だ。この組み合わせにより、高精度かつ低コストな顔認証システムを実現している。

• 高精度な顔認証
• 光環境への高い適応力
• 低コストでの導入・運用

NECの顔認証技術は、米国国立標準技術研究所(NIST)のベンチマークテストで高い評価を得ており、その信頼性は高い。AIカメラは、状況に応じてリアルタイムで画質を最適化し、カメラ内部で顔の特徴量抽出を行うため、個人情報保護にも配慮されているのだ。

NECとソニーセミコンダクタソリューションズ共同開発顔認証入退管理ソリューションに関する考察

本ソリューションは、高精度な顔認証と低コスト、そして高いセキュリティという三拍子が揃った優れた製品であると言える。様々な業種やシーンでの導入が可能になり、社会全体のセキュリティ向上に貢献するだろう。しかし、顔認証技術に対するプライバシー懸念は依然として存在する。

そのため、システムの透明性とデータ管理の厳格さをさらに高めることが重要となる。不正アクセスやデータ漏洩への対策を強化し、ユーザーの信頼を得ることが、今後の普及のカギを握るだろう。継続的なセキュリティアップデートと、プライバシー保護に関する明確な情報開示が求められる。

今後、多様な認証方法との連携や、生体認証以外の認証手段との組み合わせなども検討されるべきだ。例えば、顔認証に加えてICカードやパスワード認証を組み合わせることで、セキュリティレベルをさらに向上させることが可能となる。ユーザーインターフェースの改善も重要であり、より直感的で使いやすいシステムを目指していくべきである。

参考サイト/関連サイト